メタボ健診で検査する項目は、腹囲、血圧、血糖値、コレステロール値です。この中の腹囲についてですが、これは、肥満の進行度について診断するために測定するものです。ひとつの基準として、男性の場合は85cm以上、女性の場合は90cm以上が指導の対象となるとされています。

とはいえ、腹囲は、必ずしも肥満を図るバロメーターになるとは限りません。もともとガッチリした体型の人や、腹筋を鍛えている人は、必然的に腹囲が大きくなるからです。極端な話、身長が2mくらいある男性の場合、腹囲が85cmでも、全く太っているとはいえないでしょう。逆に、身長が150cmくらいの人であれば、80cmでも太っていると言えます。

また、何よりも、基準値以下であっても、そのお腹の中が脂肪ばかりであれば、それは肥満ということになります。いわゆる隠れ肥満です。国によっても、メタボリックシンドロームを定める基準値は異なります。85cm、90cmといった数値が、必ずしも肥満であるということの証明にはなりません。

メタボ健診では、そういった、細かい部分までの検査はできないようです。現実的に、一人ひとりに、そこまで細かい検査をしていたら、時間がいくらあっても足りないでしょう。ですから、一定の基準値を取りあえず定めたものであると考えると良いでしょう。といったと事でしょう。従って、仮に、どれかの項目で引っかかって、指導を受けたとしても、それを恥だと思う必要は全くありません。きとんと医師や保健士の方は把握しているので、メタボ健診の指導の際に、説明を受けることになるでしょう。

メタボ健診では、血圧を検査します。これは、生活習慣病のひとつとして数えられている、高血圧の診断を行うためです。高血圧は、動脈硬化を引き起こします。そして、動脈硬化は、脳卒中、閉塞性動脈硬化、虚血性心疾患、心不全、腎障害などの合併症を引き起こす、大変危険な状態です。ですから、これを予防するということは、非常に大事なことなのです。ただし、メタボ健診で行う血圧測定の目的は、それだけではありません。

血圧は、あらゆる病気のシグナルであり、また、生活の乱れを表す指標でもあります。つまり、血圧によって、その人の生活習慣が、ある程度判断できるというわけです。メタボリックシンドロームや生活習慣病といった、非常に危険な病気を回避する上でも、重要な検査ですが、そこまで至らなくても、生活習慣を改める必要がある人への警告を行うという意味合いもあります。

近年では、血圧は、薬局や公共機関などで簡単に測定することができます。しかし、どの程度の数字であると深刻な状態であるのか、どれくらいだったら大丈夫なのかということは、ある程度個人差もあり、専門家でないと、明確にはわかりません。そういう意味では、メタボ健診で血圧を測れるのは、良い機会であると言えます。

メタボ健診による血圧測定では、上が130、下が85mmHg以上の場合は、指導の対象となります。血圧のコントロールは、なかなか個人で行うのは難しいものです。こういった機会に、専門家から指導を仰ぐことができるということは、体質と生活習慣の改善を行うきっかけになるでしょう。非常に意義のあることではないでしょうか。

メタボ健診では、血糖値の検査も行われます。血糖値とは、血液内のグルコース、つまり、ブドウ糖の濃度のことです。これが何を表すかというと、体内に適切な量の糖分が摂取されているかどうか、そして、その糖分が、しっかりとコントロールされているかどうかということを判断する上で、非常に重要な値なのです。

血糖値が上昇すると、膵臓から分泌されるインスリンによって制御され、調整されます。しかし、このインスリンの分泌量が少ない、あるいは、十分な働きができないといった場合に、高血糖の状態が慢性的に継続して、糖尿病になってしまうことになります。従って、血糖値は、糖尿病を検査する上で、重要な数値になります。

ただし、この血糖値は、比較的変動しやすい数値です。食後にはかなり高くなりますし、発熱や過度の痛みを発祥している場合、過度のストレスを感じている時にも、大きく上昇する場合があります。このことから、メタボ健診の際には、直前に食事を取らないようにする必要があります。

メタボ健診による血糖値の基準値は、110mg/dlです。これを上回っている場合は、指導の対象となります。しかし、前述の通り、血糖値が高いからと言って、必ずしもそれが糖尿病などの前兆であるとは限りません。ですから、落ちついて指導を受けることが重要です。専門家は、そういった背景をしっかり把握しています。まず貴方の状態から、問診してくれることでしょう。それに、見栄などを張らず、正直に答えれば、間違いなく正確な診断をしてもらえるでしょう。

メタボ健診では、コレステロール値の測定も受けることになります。コレステロール値とは、肥満、特に、脂質異常症について診断を行う際に、重要となる指標です。コレステロール値が高いと、高脂血症になり、動脈硬化を引き起こす要因になると言われています。これは、メタボリックシンドロームの予兆であると言えます。

コレステロールには、善玉(HDL)、悪玉(LDL)があるというのは有名な話です。メタボ健診では、主に善玉コレステロールの量が測定されます。善玉コレステロールは、血管壁に溜まった悪玉コレステロールを剥がし、肝臓に戻すという働きを担っています。そのため、この量が少ないと、悪玉コレステロールが溜まりやすくなります。それを駆除するべく集まってくる肥満細胞が、アテロームという物質になり、血管をふさいだり詰まらせる要因になることがあります。

従って、一定量の善玉コレステロールがない人は肥満になりやすく、また、血管が詰まりやすい体質であると言えます。メタボ健診においては、この量が、40mg/dl未満の場合、指導の対象となるようです。

善玉コレステロールを増やすためには、食生活を改めるのが最も重要なことであるとされています。例えば、牛肉やバターなどの動物性脂肪が多い食物はなるべく控えます。そして、イワシなどの青魚、納豆や豆腐などの植物性脂肪を採ることで、善玉コレステロールの量をかなり増やすことが可能です。

また、適度な運動も非常に有効です。身体を動かして汗を流すことで、善玉コレステロールが増加します。禁煙、節煙、節酒も必要であるとされています。メタボ健診を受けて指導される前に、これらのことを行っておけば、指導を受けないで済むことになるかもしれません。

メタボ健診では、メタボリックシンドロームと同様に、生活習慣病に関する健診も行うという目的があります。生活習慣病とは、糖尿病、高血圧、脂質異常症など、生活習慣がその主な発症原因とされている疾患の総称です。メタボリックシンドロームは、単なる肥満ともとらえられがちですが、正しくは、この生活習慣病と、内臓脂肪型肥満が合併した状態が、メタボリックシンドロームです。つまり、メタボリックシンドロームを診断するということは、生活習慣病を診断することに等しいのです。

この生活習慣病の恐ろしいところは、がん、心臓病、脳卒中などの脳血管疾患という、現代の3大死因と、密接なつながりがあるということです。この3大死因のいずれもが、生活習慣病によって引きこされているといっても、過言ではありません。さらに、肥満が重なり、メタボリックシンドロームになれば、その影響力はさらに大きくなります。つまり、生活習慣病は、がんなどの死亡率の極めて高い病気の入り口であるということなのです。

メタボ健診の目的は、メタボリックシンドロームと生活習慣病の調査、予防です。しかし、引いては、がんや心臓病などの予防という意味合いもあります。患ってしまったら、取り返しのつかなくなる可能性の高いこれらの病気を、未然に防ぐための、大変重要な健診なのです。

たかがメタボ、たかが生活習慣病という認識を持っている方がいれば、それは直ぐに改めるべきです。非常に怖い状態であり、取り返しの付かないことになるような、とても恐ろしい病気なのです。メタボ健診は、そういった病気から、一人でも多くの人を守るために設けられた制度なのです。

メタボ健診では、腹囲、血圧、血糖値、コレステロール値の4項目の検査が行われます。これらの数値について、あらかじめ定められた基準値を超えている場合は、医師、保険士、あるいは管理栄養士と、20分間の面談を行い、改善のための指導を受けなければならないことになっています。

その指導とは、主に、原因の簡単な究明と、生活改善の方法についての情報提示、及び、提案がなされるというものです。これまでの健康診断とは異なり、専門家の指導を実施するようになった理由としては、やはり、自己判断では改善の可能性が低いという事実に基づいているかと思われます。特に、肥満体質の人は、なかなか自力で生活習慣を変えるというのは困難なことです。そして、みすみす病気になるのを見過ごしてしまう事態になっているのが実状です。こういったことを防ぐという意味でも、指導は適切な処置であると言えるでしょう。

腹囲、及びBMIが基準値を超え、かつ、中性脂肪、または善玉コレステロール値、血圧、血糖値が、いずれも基準値を超えた人に対しては、短期間の指導では改善が難しいので、三ヶ月以上の長期にわたる指導が行われることになります。

これは、指導を受ける側もそうですが、指導する側にも、相当な労力と根気を要することになります。また、完全に無料というわけでもありません。メタボ健診自体も無料としているところが多い上に、問題があった場合に、それを改善するとなれば、普通の医療費と同様に、相応の金額が必要となります。

しかし、メタボ健診によって問題が見つかったからお金が必要になったという解釈は、間違いです。メタボ健診によって、本来ならば、かなりの金額を治療費に当てなければならないところを小額で済んだということなのです。そう考えれば、出費するにしても、損した気分にはならずに済むでしょう。

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